作り方のヒント:お答えマシン

箱をひっくり返して戻すたび、決まった順番で「ハイ」と「イイエ」が出てくる仕組みです。

動画では、これをあたかも質問に答えているかのように演技してもらいました。

 

歯車が一方向にしか回らない仕組みは、割りと一般的なものですが、これをダンボールや竹ひごなどの身近な材料で作ろうと思い立ち、試行錯誤の末に決まったデザインです。

 

まだ十分ではないかもしれませんが、できるだけ作り方の情報をのせました。


材料と道具

【材料】

ダンボール(厚さ 5 mm)、工作用紙、

画用紙、コピー用紙、

竹串、つまようじ、木工用ボンド、

鉛筆(歯車の軸)、輪ゴム、

丸い磁石(おもり用)

【道具】

鉛筆、カッター、デザインカッター、定規、ハサミ、

糸のこ、万力(鉛筆を切る用)

色鉛筆(着色)

ハンドドリル(竹ひごを入れる穴あけ用, 2.4 mm)、

つまようじ(ボンド用)

10枚重ねた工作用紙が結構固くて、穴あけにハンドドリルを使いました。

鉛筆を短く切るには、やっぱり万力とノコギリが必要です。



見取り図と仕組み

数字の単位は mm です。

うえから見た図は、箱を逆さまにして、ふた(A)と円盤2枚をとった時の図です。

 

ラチェット(HとI)が下に動くことで、Iが歯車(J)を左回りに45度回します。

(実際にはこの機構全体をラチェットと呼ぶようですが、ここではパーツH+I をラチェットと呼ぶことにします)

 

ラチェットが上に戻るときには、歯車は逆回転防止パーツ(M)のおかげで、逆回転しません。そのかわり、パーツI が少し内側に動き、歯車をすり抜けます。

 

このような仕組みによって、ラチェットが上下に運動することで、歯車は45度ずつ左回転します。



斜めから見た図

細かい部分は省略しています。パーツの名前を確認してください。

A, L, K, J, F, E は小さく描いています。



歯車(J)

30 mm の長さに切った竹ぐしを、10 mm だけ飛び出すように J に配置し、コピー用紙にボンドを塗って写真のように貼り付けました。

 

このようにして45度ずつずらしながら、たけぐしパーツを8本接着しました。

 

Jの穴の直径は約8 mm。丸い鉛筆が入ります。デザインカッターで穴を開けたあと鉛筆を通して太さを整えました。

 

 

最後に、ダンボールの部分や全体にボンドをたっぷり塗って補強しました。



本体

写真のように本体部分をボンドを使って組み立てました。

 

Bの上にGを接着しました。見えにくいのですが、左側に幅2 cm の溝ができています(CとGの間)。

 

Gだけに鉛筆の穴を開け、その下のBには穴は空けていません。

 

丸い鉛筆を23 mm の長さに糸のこで切りました。そして、Gに差し込みボンドで固定しました。



ラチェット(H, I)の寸法図

ここが一番苦労したところです。

 

Hはダンボールで作って工作用紙で上下を補強。

Hの中心に竹串を通すので、ダンボールの波の部分(赤)がうまく中心になるように作りました。

 

 3箇所に穴を開けて、つまようじを5 mm 出るように接着しました。

 

I は工作用紙10枚を、ボンドで接着しながら重ねて作りました。下部分の凹みや、上部分のゴムがかかる部分ができるように、一枚一枚の形を少し変えました。

乾かすとすごく固くなります。穴はハンドドリルで開けました。



ラチェット(H, I)

実際に作るとこんな感じです。

 



逆回転防止パーツ(M)

これは割りと楽ちんなパーツです。寸法図にも載せてませんでしたが、切れ端で作りました。

貼り付ける40 mm の工作用紙は、表面にボンドをたっぷり塗って補強しました。



ラチェットの組み立て

パーツI をHの上のつまようじに通して合体させました。軽い力でIが回るように穴の大きさを調節しました。

 

小さい輪ゴムを結んで作って、図の場所に掛けました。これで、自然の状態では、Iの下につけたつまようじが、Hの下のつまようじに接触するようになります。

 

丸い磁石を2つ、おもり代わりにHに貼り付けました。

 

H に通した竹ひごを、FとE にボンドで接着しました(緑矢印)。

ラチェットがずれないように、もう一つのたけぐしも写真のように接着しました(白矢印)。

 

箱を傾けたときにHが動くように全体を調節しました。

動画も参考にしてください。

 



歯車と逆回転防止パーツの取り付け

 歯車には、中心から20 mm のところにつまようじを接着しました(白矢印)。 5 mm くらい出ています。これはここに重ねる円盤パーツ L, K を一緒に回転させるためです。

 

歯車を写真のように鉛筆に差し込みました。

 

図のような位置に、逆回転防止パーツ(M)を取り付けました。うまく、ラチェットと連動して歯車が左回転するような位置に調節しました。Mの工作用紙の長さも調節しました。



円盤の取り付け、完成

円盤K, L を鉛筆に通しました。

歯車から出ている2本のつまようじがハマる位置に穴を開けてあります。

 

L は、うまい具合に色を塗りました。

 

プラバンに、「ハイイエ」と白く抜くように、油性の黒マジックで色を塗り、Aの窓に貼り付けました。

 

最後に絵を描いたカバーAをつけて完成しました。

 

 

この工作は、3回やり直して、4回目にやっと成功しました。